仕組みを考える全体のプロセス

仕組みを考える時には、「3個の視点」と「5個のステップ」をベースに実施します。

ビジョンと提供価値

ビジョンを考える際の簡単な方法は、以前を超えるモノ・コトを定義すること、つまり対比 ( Before / After ) を定義することです。
最近のサービスは、以下の対比でビジョンを定義することが多いです。

Before:「手動が多いExcelで業務をすることは悪である!」
After  :「新しいサービス・アプリケーションに今のExcelで業務をすることを置き換える!」 

つまり、マイナス要素を定義し、プラス要素に置き換えるという提供価値をお客様に提案します。ビジョン・提供価値等の詳細は、以下の書籍がオススメです。

大量データの処理が遅い

複数で同時に編集ができない

レコード毎にコミュニケーションができない

並び替え、フィルターを毎回手動で設定する

最新ファイルがわかりにくい

検索条件が保存できない

「5S」での具体的な見える化実現にむけて

ビジョン、提供価値を定義し、小さな範囲から実現したいことを具現化します。

当社は様々な基盤系ツールの調査・利用経験があり、いま求められている候補は以下の3個を用意しています。

Microsoft
Excel

AirTable

Cyboze
Kintone

ノーコード開発とローコード開発の境界線について

上記はノーコード開発として定義してますので、ローコード開発は目指すべきゴールの相違により、候補から除外しました。
ローコード開発は以下の図では「高速開発ツール」に該当します。

ノーコード開発は小さなシンプルなアプリケーションを構築する際に利用するため、特にガバナンスに難点があります。
ローコード開発はより広い範囲での利用が可能なアプリケーションを構築する際に利用するため、ガバナンス・拡張性を改善することができ、さらにオンプレミスでの動作ができることもあります。

当社はローコード開発ツールの経験・知見はありますので、オススメのツールは以下の通りです。

Kintone

Kintoneは「カード型データベース」であり、「関係型データベース」ではないという前提条件を理解することが必要です。
カード型データベースのデメリットがKintoneのデメリットと連携し、FileMakerも同様の問題が発生します。

Kintoneは安価ですが、拡張機能を多く利用することにより、コストメリットがなくなるため、最低限の拡張機能をつくるよりさがして、つかう方向にシフトすることがコツです。当社は多くの拡張機能をお客様に提案せず、拡張機能がなくても実現できるゴールを設定するため、細かい部分にこだわりが強いお客様にはKintoneはオススメはできません。

パソコン以外では操作しにくい
1レコードの項目数が増大する
アプリケーション毎に連携するため、改修時の範囲が広くなりやすい
データが重複しやすい
プラグイン等拡張機能を利用するとコストが増大する
他のサービスと比較すると、外部連携が弱い

Excelより良い、Kintoneより良いポジション

Excel、Kintoneのそれぞれのメリットを取り入れた基盤上で「5S」の見える化を実現することこそ、当社の理想です。

当社では上記のメリットをカバーする「AirTable」こそが現段階では最も適した見える化を実現する基盤と考えています。
AirTableの最大の欠点は、「現段階では日本語のサポートはない」ことです。
しかし、日本語サポートがなくとも、最近のサービスはツールチップを上手に利用しており、画面が使い慣れたExcelのようなインタフェースにすることで学習コストを下げる仕組みも含まれています。

データの確認

ファイルを開いて確認する

データの表示形式

表形式のみ

カスタマイズしたデータの変更

自分で対応する

データの色分け・グループ化

自分で対応する

テンプレート

インターネットより検索する

データの確認

アプリを開けば、すぐに確認できる

データの表示形式

表形式、カレンダー形式に対応

カスタマイズしたデータの変更

カスタマイズした業者に連絡する

データの色分け・グループ化

カスタマイズした業者に連絡する

テンプレート

事前に用意されている

AirTable

Kintoneはフォーム、AirTableはデータが中心です。AirTableは1個のデータを様々な手段 ( ≒ビュー ) や切り口で表現ができ、マルチデバイスにて確認することもできます。

Kintoneは30日間のみ無料ですが、AirTableはレコード数が1200行等の制限を超えない限りは無料で利用することができ、実現したいことにマッチしたテンプレートがあれば、すぐに利用することができます。

データ構造

複数テーブルを1個のアプリケーションにて定義ができるクラウド版Excel+Access

ビューの種類

表形式以外に、カレンダー、カンバン、フォーム、ギャラリー形式で表示ができる

マルチデバイス

タブレット、スマートフォン用のアプリケーションが用意されている

無料版

グラフ表示は有料版であるが、小規模のデータ管理での利用であれば無料枠で利用できる

データタイプ

テキスト、日付、メール、写真、バーコード等のデータ形式に対応する

外部連携

インポート、エクスポート、APIが用意され、外部と連携ができる

テンプレート

多数のテンプレートが既に用意されている

バージョン管理

無料版では2週間の履歴が保持され、有料版を契約することで長い期間の履歴が保持される

進め方について

進め方は以下のフローに基づいて実施します。

当社だけではなく、お客様も参加して頂き、多数のフィードバックを行うことで今までとは異なる体験を是非経験してください。ウォーターフォール、アジャイルではなく、当社はスパイラルでの対応を行い、かつスパイラルの欠点、全体図が把握できない、という点は、すべてはビジョンから始まる、というベースの考えが浸透しています。

ビジョン
フィードバック

スコープ定義

設定・試験

「5S」
フィードバック

要件定義フェーズ前にツールが決定され、変更できない

他サービスへの切り替えができず、利用を続ける以外の選択肢がない

Excelから置き換えたにもかかわらず、野良Excelが次々とつくられる

進め方でやってはいけないこと

当社にご相談を頂いた際のヒアリングより、うまく進まないケースはおおよそ似ています

方針は常に変化するが、手段は変わらない

「お客様の都合 < 自分たちの都合」が優先され[る

できないことの回避策を考えず、先延ばしにする